FP2級過去問道場を勉強する中で、私がつまづいた重要な論点を分かりやすくまとめました。
売りオペ(金利が上がる)・買いオペ(金利が下がる)
日銀が行う買いオペ(日銀が国債を買って市場にお金が増える)や売りオペ(日銀が国債を売るので市場のお金が減る)は、金利に大きな影響を与える金融政策です。FP2級では金利がどう変わるかが問われます。理解のポイントは、「銀行の立場で考えること」 です。
銀行は、買いオペによって市場にお金が増える→貸し出しに使える資金が多いほど「早く貸したい」と考えるため、金利を下げる。
反対に、売りオペ→国債を売ると市場のお金が減る=銀行のお金が少なくなると「貴重なお金だから高く貸したい」と考え、金利が上がります。これが売りオペの効果です。
つまり、買いオペ=金利が下がる、売りオペ=金利が上がるという関係は、銀行のお金のが増えるか減るか で決まります。金利の動きは、銀行の事情を反映します。
FP2級頻出の論点です。
この仕組みを理解しておくと、金融政策や景気の流れもスムーズにつながります。
同族会社役員は申告が必要
同族会社の役員やその家族は、会社から受け取るお金に特別なルールがあります。FP2級では「給与所得者でも確定申告が必要となるケース」が頻出ポイントです。
役員の場合、会社から給与をもらっている他に、家賃や利子などの「給与以外の支払い」を受けたときは、金額に関係なく確定申告が必要になります。これは試験でよく出る箇所で、「20万円以下なら不要」という一般の会社員とは扱いが異なります。
一般の会社員は20万円以下なら申告不要ですが、同族会社の役員は会社を自由に操作できる立場とされるため、税務上より厳しく扱われます。FP2級では、この“給与以外の収入がある場合は申告が必要”という点が重要です。
長期譲渡所得の税率は20.315%、短期は39.63%
土地や建物の売却が「長期譲渡所得」に該当する場合、適用される税率は合計20.315%です。内訳は、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%となります。
FP2級では「長期20.315%・短期39.63%」という数値が頻出です。短期に該当するのは所有期間5年以下の場合で、税率は約2倍に跳ね上がります。
土地や建物の所有期間によって大きく税額が変わる点を押さえておきましょう。
不動産鑑定評価基準の4手法
不動産の鑑定評価では、価格を求めるために「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法(直接還元法)」「DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)」の4つの手法が用いられます。
FP2級では、この4手法の特徴と使い分けがよく問われます。
取引事例比較法は、似た物件の売買事例を基礎に価格を求める方法で、多数の事例の収集が必要です。実際の市場価格を反映しやすいのが特徴です。
原価法は、同じ建物を建て直すといくらかかるか(再調達原価)を求め、そこから経過年数に応じた減価修正をして評価します。自用(自宅など)の建物の評価に使われます。
収益還元法(直接還元法)は、賃貸物件などが将来生み出す純収益を還元利回りで割り戻して評価する方法です。市場性を有する不動産には、広く適用されます。ただし「自用不動産」は収益を生まないため適用できません。ここが試験でよく出るポイントです。
収益還元法の例 : 年間の純収益100万円、利回り5%の場合=2000万円と評価する
DCF法は、複数年の将来キャッシュフローを1年ごとに現在価値へ割り引き、合計して価格を求める手法です。オフィスビルなど大規模収益物件によく使われ、直接還元法より理論的です。
FP2級では「4手法の違い」「どの不動産に適用できるか」を理解することが得点に直結します。
景気指数|先行・一致・遅行の覚え方
FP2級では、景気の動きを表す「先行指数・一致指数・遅行指数」の代表的な指標がよく問われます。
まず先行指数は、景気に先立って動く指標で「消費者態度指数」「株価」「新規求人数」などです。
次に一致指数は、景気とほぼ同時に動く指標で「有効求人倍率」などが代表です。
最後に遅行指数は景気の変化より遅れて動き、「消費者物価指数」「完全失業率」などが該当します。
特に頻出は「消費者〇〇指数」で「態度が先」、「物価は後」と覚えましょう。
求人関係も「新規求人数」→「有効求人倍率」→「完全失業率」の順番となります。
相続税でよく出る「定期金」とは?
定期金とは、養育費や慰謝料の分割払い、年金、年金型保険などが代表例です。
一定の期間や生涯にわたって、毎月・毎年など定期的に支払われるお金のことです。
FP2級では、この“定期金を受け取る権利”が財産とみなされ、相続や贈与が発生したときに評価対象となる点が重要です。
相続税法では地上権や永小作権と並び、定期金の給付権利は評価方法が明確に定められているため、試験で頻出の論点となります。
個人年金の種類と特徴
個人年金保険にはいくつかの種類があり、FP2級ではそれぞれの特徴を区別して覚えることが重要です。
まず 終身年金は、受取人が生きている限り一生涯支払われる年金で、長生きリスクに備える代表的なタイプです。長く生きるほど受取総額が増える反面、保険料は高めです。
次に 確定年金は、受取人の生死に関係なく10年・15年など一定期間、必ず支払われる年金で、途中で亡くなっても残り期間は遺族が受け取ります。
一方、有期年金は一定期間支払われますが、支給されるのは“生存している間のみ”で、期間中に亡くなるとそこで支給終了となります。
また、保証期間付き終身年金 は終身年金に最低支給期間の保証をつけたもので、たとえば10年保証なら、受取開始から10年以内に亡くなった場合、残りの期間分は遺族が受け取れます。保証期間を過ぎると、あとは本人が生きている限り年金が続きます。
FP2級では、「終身=一生」「確定=誰かが必ず一定期間」「有期=生きている間だけ」「保証期間付=終身+一定保証」という整理が得点につながります。
相続時精算課税で取得した宅地は小規模宅地特例の対象外
小規模宅地等の評価減は、相続・遺贈で取得した宅地のみが対象で、相続時精算課税を使って生前に贈与された土地は適用できません。(実務で超重要)
また、相続開始前7年以内の贈与で課税価格に加算される場合でも、取得方法が「贈与」である限り特例の対象外となります。
相続時精算課税制度とは?
相続時精算課税制度は、贈与時に一律20%で課税し、贈与財産をすべて相続税の課税価格に加算して相続時に精算する仕組みです。限度額は2500万円です。年間110万円の基礎控除が使えず、一度選択すると撤回できません。小規模宅地特例の対象外になる点も試験で頻出です。
本日は以上となります。
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